淀みに浮かぶ泡沫は

大学院生の日常

日記

今日は朝から大学へ.学会発表のためにスライドの準備と発表練習をしていました.基本的には先週の発表と同一内容のつもりで,発表時間が12分→15分となっているのでその分の調整が必要です.ただ,先週は学生が多かったのに対して今週は規模の大きい学会であること,先週は英語での発表だったのに対して今週は日本語であることが異なります.

午後に後輩と発表練習をしていました.僕も1回だけ練習をしたのですが,先週の英語での発表の方がうまく話せていた気がしました.僕は別に英語を話すのが得意ではなく,むしろ苦手だからこそ話す内容について準備をしていたことが違いを生んだのかなと思っています.

英語の発表といえば昔こんなことがありました.今の指導教員には大学2回生の頃からお世話になっていました(もちろん当時は指導教員としてではなく,セミナー形式の講義の担当教員として).セミナーのテキストが講義期間内にキリの良いところまで進まなくて春休みにもセミナーを続けてもらっていたのですが,あるときのセミナーの直前に「いま滞在している友達の外国人研究者がセミナーを聞きにくるので,今日は英語で発表してね」と言われました.突然のことで準備の暇もなくそのままセミナーに挑み,言いたいことの1/10も言えずもどかしい思いで発表をしました.発表後に情けない気持ちでいると,指導教員から予期せぬ言葉をいただきました.「今日の君の発表は,この半年の中で一番よかったんじゃないかな」

最初な何を言っているのかまったくわかりませんでした.そのわけを尋ねると,「英語は母語ほど自由に使えないから,そのために複雑な説明はできず,簡潔な表現でかえってわかりやすい発表になっていた」とのことでした.もちろん英語は辿々しいどころの騒ぎではなかったので背負うけど,それ以上に発表の内容がスッキリしていたというのです.「君は日本語だと,0.7くらいの不十分な説明を塗り重ねて1に近づけようとしているけど,英語ではそれがなかった.最初から必要十分な説明を目指しなさい」といったことも同時に言われて,これは今でも思い出しては「まだまだできていないな」と自省するのです.

今回も多分似たような状況で,「適当に補いながら話せばいいや」と考えているから,スライドを送りながら言及し忘れることが出てきたり説明が前後したりするのでしょう.もっといえばスライドを作る時点で発表するときのことをそんなに深く考えていないのがいけない気もします.まだ数日時間はあるので,ブラッシュアップしていきたいと思います.

それではまた.

 

2023年3月6日